#360 おいでませ地獄の門へ。inトルクメニスタン(3)
- 2018/12/12
- 07:00
もう名前からしてヤバいじゃないですか。
「地獄の門」て。
トルクメニスタン唯一、と言っても過言ではないハイライト・オブ・ハイライト。
これを見たいがために、
数々の旅人が難攻不落のトルクメニスタンビザを求めるわけです。
そして、
私もその一人でございます。
何がすごいって、
幹線道路から7km離れてるのに、地獄の門の方面はすでに空が赤いっていう。
もう私の心は浮足立ちまして、
もう全荷物担いで地獄へ直行なのでありました。
じゃないの本当にチャイハネ見当たらないのどこチャイハネ!!
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▼徘徊メモ
・行き先:ダルヴァザ/地獄の門
①アシガバート市内バススタンド→アシガバート郊外バスターミナル
・手段:路線バス
・料金:0.4マナト≒2.8円
・時間:1時間
②アシガバート郊外バスターミナル→乗合タクシースタンド
・手段:徒歩 ※バスもあるらしい 99番?
・料金:ー
・時間:30分くらい
③乗合タクシースタンド→タクシーでダルヴァザ
・手段:タクシー
・料金:不明
・時間:3〜4時間?
④ダルヴァザ周辺のチャイハネ→地獄の門
・手段:徒歩
・料金:ー
・時間:1〜2時間
↓アシガバート市内バススタンド「TEKE BAZAAR」とアシガバート郊外バスターミナルと乗合タクシースタンド
※バスで行く方法
・上記の①の後、バスターミナルから長距離バス。朝8時ダショグズ行き、朝9時クフネ・ウルゲンチ行きがいずれもダルヴァザを通過するのでそこで下車。この出発時間は現地で要確認。私は夏冬で変わるのではと思っています。
※列車で行く方法(他サイト参照)
・Ashgabat駅19:30発、Ichoguz駅2:30?頃着。そこからチャイハネまで徒歩。※この時間にチャイハネが開いているのか謎。
・右上の赤:地獄の門
Door to hell
・左の緑(下)チャイハネ
Mapsme表記無し。水色の屋根。
ここにはダショグズ、クフネ・ウルゲンチ行きのバスも停車した。
アシガバートを背にして左側。
・左下オレンジ:Ichoguzu駅
・下の赤:ウォータークレーター
Viewpoint of water crater
※当記事のトルクメニスタンマナトの円換算レートは巷の裏レート1ドル≒105円≒15マナトにて換算記載しております。
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ということで、
目指すは地獄の門。
東の空がぼんやり赤く染まってます。
「見よ!東方は赤く燃えているぅ!!」
まさにそんな感じです。
あ、わかるひといます?
さて。
結局チャイハネも見つからず、
全荷物背負ってえっちらおっちら歩いているわけですが、
もうここは荒野ど真ん中。
明かりを消すと暗闇です。
明かりっつーか、
スマホのライトです。
iPhoneはカメラ起動するとライトが消えるので、写真撮るたびに暗闇です。
足元はやや砂っぽい土。
そこら中にポンポンした草が生えてます。
30分くらい歩いたあたりでしょうか。
突如向こうの空の赤が消えました。
突然急な上り坂になったようです。
足元がザブンザブン砂地に沈んでいきます。
え、
ちょっとこれ本当に登るの?
思ったよりすぐ終わりましたがかなりハードでした。開始30分でこれって。
線路でした。
この青矢印のすぐ前にある薄い線。
これ線路です。
線路は高台を走っていたようです。
からまた斜面をおりてそしてまた緩やかに大きな斜面をあがっていきます。
斜面をあがりきると、
遠く彼方に大きな丘がうっすら見えます。
赤く燃える東方の空はその丘の向こうです。
うーん。
遠い。。。
えっとですね、
これ今、小雨パラついてるんですよね。
砂漠なのに小雨て。予想外です。
かなりアップダウンしてるので寒くはないですが、到着後、汗と雨とで体が一気に冷えそう。
徐々に東の空の赤が強くなってきてますよ。
写真でもわかる感じになってきました。
そして歩きだして1時間。
GPS見てる限りもう間も無くのはずですが、最後に大きな丘が立ちはだかります。
これまで膝丈だった草が、この辺りは急に2mくらいの細々と乾いた砂漠っぽい木々が並び始め、大変不気味です。
なお「蛇とサソリに気をつけるべし」と聞いてましたが、道中虫一つ見かけませんでした。
丘を上りきり、
しばらく丘の上を歩いていると、
それは突然やってきました。
この瞬間の目を疑う光景。
真っ暗闇に、
太陽かと見まごう真っ赤な穴が
突然現れるんです。
もう全てを忘れて駆け出したその先で見たもの。
それこそ則ち地獄の門。。!!!
な、、、
なんなんだこれは、、
なにがどうなっているんだ。。
地獄。
「地獄」そのものがそこにありました。
え?すごくない?
今すぐにでもこの中心からイフリートが登場してもおかしくなくないですか!?
※なに言ってるかわからない人はFF5あたりから10あたりまでやり直してください。
灼熱炎。。。
ときおり風に乗って熱波が顔を焼きます。
そこら中から炎が吹き上がっています。
煉獄とはまさにこのこと。
容赦ない炎が狂い咲いてます。
この地獄の門は、
以前この地の天然ガスを調査していた時にこの場所が崩落し、大量の有毒ガスが噴出。ガスを消そうとひとまず火をつけたところ大炎上してこうなったという話です。
ひとまず火をつけた人、
どういう処分が下ったのかぜひ知りたいです。国家の最重要資源ですからね。天然ガス。
もう何度シャッターを切ってももはや見返すと違いがわからないのですが、もう圧倒されてしまって。なにしていいかわかんないんです。
※さっきっから同じ写真を数枚使いまわしてますが気づきませんでしょ?
なお、周囲は私だけです。
小雨降ってますしね。
あ、よく見たらちょっと丘の上にキャンピングカー止まってますね。
車で来れるのねここ。
よし、最悪あのキャンピングカーに泊めてもらおう。
しばらくすると、
キャンピングカーからご夫婦が出てきました。
で、クレーターの周りを一周。
すかさず挨拶する私。
ロシア?から来てるご家族のようで、すでに子供は寝ているそうです。
ちょっとしたお話の末、
「Have a good nighr〜!」
とお二人は颯爽と立ち去ってしまいました。
ああ天使様。
ということで、
適当な地べたにねっ転がってみましたが、
ものの数分で寒すぎて寝るのを諦めました。
あのね、風。
風がヒューヒュー吹いてきて汗で濡れた服ごと体を冷やすのね。
即刻荷物を広げてありとあらゆる服を着ました。て言ってもTシャツ一枚アドオンして靴下3枚追加しただけですけどね。
あまり近づくと一酸化炭素中毒とか心配だったのでちょっと離れてます。
ガタガタ震えながら、
小雨がパチパチ当たってくる中、
ぼーっと、あんなことやそんなこととを考えていると、
突如ピーチクパーチク聞こえてきます。
ああ、、
お迎えかな。
って本気で思ってマズいマズイと目を覚ますと、
これ分かりますか。
小鳥さんです。
小鳥がですね、地獄の門上空をひらひら飛んでるんです。
ええ!?
ま、まさに火の鳥。。!!
と思ったら急にヒューン、って穴の中へダイブ。
ええ!?
ま、まさに焼き鳥。。!!
って思ったら急にギューン、って穴の中からフライアウェーイ。
ええ!?
ま、まさに不死鳥。。!!
なんてモヤモヤ考えてる間に(鳥の話は本当ですよ)、すっかり寝ていたようです。
ハッ!!
っと全身が震える音で目が覚めたのは22時。
ダメだ。全然時間が進まない。そして寒すぎてもう死ぬ。
地獄の淵へ。
地獄まで徒歩0秒です。
この柵を乗り越えました。
よいこは真似しないでね。
うわ、
ここすんげー暖かい。
なんなら暑い。
あっという間に小雨で濡れた服も乾きました。
地獄一歩手前の景色はもう視野すべてが地獄です。
やっぱ日本人ですからね、
地獄でもみかんでしょ。
そんなこんなで、
風に乗った熱波に心地よく身を委ねぼんやりしていると、はたまたピーチクパーチク聞こえてきます。
もう写真では蚊にしか見えませんが、
鳥たちの地獄ダイブがすんごいんです。
暖かいからかな。
下手したら焼き鳥だぞ君たち。
なんてやってるうちに意識が朦朧としてきたのでそのままゆっくりと睡眠いやこれ一酸化炭素中毒じゃないか!?
と
ガバっと起き上がりましたが、
まあ頭痛してきたらでいっかな、と二度寝しました。
目が覚めました。
いま日記書いてて思いますが、下手したら目が覚めていなかったかもしれません。
こんな場所で寝てたようです私。
(黒リュックを枕にして足をクレーターに投げ出してた)
あともうちょっとでイフリートさんズドラーストヴィーチェでした。
丘を越えてきたので周囲は山あり谷ありかと思いきや、東方面は平坦でした。
そして小さな小屋が見えます。
あそこに宿泊することもできたのでしょうか。
こんな感じでトレイルが存在してました。
Ichoguz駅の近くからここまで車で来る事が出来そうです。
決してこちらには来ません。
そんな私不審でしょうか。
地獄の周囲。
人っ子一人いません。
硬く施錠されてますがこれどうやったら宿泊できるのでしょうか。他の方のブログ見てる限り宿泊施設っぽいのですが。
窯がありましたが、
実質ゴミ箱になってました。
さて、
今日中にトルクメニスタンを抜けたいのでそろそろ移動です。
結構な丘を越えてきたんですねぇ。
振り返るとこんな感じ。
大地にポッカリと穴が空いております。
む。
この丘で楽しいことしてるやつがいる。
丘の上からの360度。
こ、広大すぎる。。。
あの地平線にうっすら丘が見えますが、
そこまで一切線路や道路が見えないので、あの丘の向こうまで歩くようです。
結構すごい距離ですけど。
所々にどなた様かの生活臭がします。
うっかり踏んでしまいそうで怖いです。
蛇?サソリ?もぐら?
いいなぁ。
何もない中を、一人歩いてます。
先ほどの地平線、第二の丘を越えました。
あの地平線から歩いてきました。
意外と45分くらいです。
その丘から幹線道路方面の景色。
向こうに道路見えます。
帰ってきたぞ。
線路に到達です。
やっぱこの線路、
かなり急な盛り土になっており超えるの結構大変です。
トレッキングブーツにしてなかったら明日砂まみれになっていたことでしょう。
線路超え後、
振り返るとこんな光景。
さて、
その後もグイグイ進んでいくと、
白い建物発見!!
あれ、チャイハネなんじゃないか!!
ピラフウマー(*´Д`*)
ピロフと言うのかな。
なんかもっちりしてて美味いです。
ピラフとチャイで20マナトでござい。
ちなみに私は他の方のブログや
テヘランのホテルマシュハドのこのメモ↓
周囲を見渡してもこのチャイハネしかありませんでした。
冬はここしか営業してないのかな。
他のチャイハネは移動住居なんでしょうか?
右の赤ピンが地獄の門、
薄い黒線が線路、
その線路がやんわりカーブする頂点を真左に引いたあたりにあります。
(二つある緑ピンの下の方です。上の方はMapsme上に「Çaykana」=チャイハネという表示がありますが、ここにはなにもありませんでした。
このチャイハネは水色の屋根、
コンクリート造りの大きめの建物、
幹線道路から30mくらい奥です。
夜間に来ると私のように見落とす可能性大なのでご注意ください。
(営業時間聞いたんだけどGoogle翻訳では会話成り立たず)
さて。
ここから目指すはウズベキスタン。
国境はダショグズとクフネ・ウルゲンチの二箇所ありまして、
位置関係こんな感じ。
ウズベキスタンのヒヴァに行くなら前者、
ヌクスに行くなら後者です。
で、私は後者であります。
トルクメニスタンビザ申請時に出入国国境を指定する必要があるのです。
なんとバスがやってきました。。!
(時刻10:00頃)
このチャイハネで休憩するようです。
が、
フロントには
Ashgabat
Dasoguz
と書いてあります。
ダショグズ行きのようです。
チャイハネの人に、
クフネ・ウルゲンチ?
(キョネウルゲンチと発音する人もいる)
と聞くと、
ボディランゲージで、
時計、
向こうから来る、
座ってろ、
的な合図。
まさか。。!?
そのまさかでした。
クフネウルゲンチ行きのバス、11:00に来ましたよ。
空席が2席だけあり、
無事乗れましたー!!
20マナトでした。
助かったー!!
人が優しい(今のところ)国ではありますが、いかんせん車は10分に一台(しかもトラックばっかだがトラックは遅すぎて国境閉鎖時間間に合わなそう)、かつクフネウルゲンチに行く人少なそう(ダショグズが多い)なので、バス拾えて良かったです。
バスはやはり道がボコボコでスピードはなかなか出せません。
トルクメニスタンは前大統領時代、アシガバート絶対主義なのか分かりませんが地方の病院を全て閉鎖し、アシガバートに出向くように強いたそうです。
地方はどうでも良かったのでしょうか。
地方の人は大統領様をどうお思いなのでしょうか。
運転手は水を得た魚のようにヒャッハーします。私の席から速度計見えるのですが140km出てます。
あ、シートベルトないやこのバス。
アッラー様、じゃなかった大統領様。。!
Dasoguz→Asgabatのバスとすれ違いました。
このバスはあのチャイハネに寄るのでしょうか。
だとすると、
私と逆方面に向かう人は12:00にはAsgabat行きのバスを拾えそうですよ。
なおこの1時間後にKöneürgençからのバスともすれ違ったので13:00にはそのバスを拾えるかもしれません。
なおバス内ではずっと映画が流れてます。
「スパスィーバ」「ハラショー」と聞こえるのでロシア語の副音声なのですが、だとするとこれはどこの国の映画でしょうか。
しかもこれがなかなかな美男美女がドロドロ愛憎劇を繰り返しまくる全員悪役全員被害者みたいなくっそ面白い内容ですっかり見入ってました。
途中で気づきました。
これトルコ映画ですね。しかも長編ドラマです。一話2時間。
結構、
殴り合いの喧嘩やDV、不倫現場から大企業の社長の大豪勢な生活ぶりなど、
このトルクメニスタンの独裁政治と情報遮断っぷりには相応しくなさそうな内容なのですが、大丈夫でしょうか。
車内の女性たちは食い入るように見続けており、第1話が終わると運転手にワーワーと、恐らく「早よ第2話ちょうだい!」と言うおねだりなさってました。
なんて調子で第2話を(私含めて)食い入るように見ていたら、
っふぁ!?
派手にクフネウルゲンチではない方面にバスが進んでました。
なんとこのバス、ダショグズを経由するんですね。。。第3話までしっかり見れそうじゃなくて、このままだと国境開門時間に間に合わない=クフネウルゲンチで一泊=トルクメニスタンの宿は高い=ドル大打撃。
と言う顛末です。
なんと。。。
こんなところにバスデメリットがありました。
ま、しょうがない。
そのまま第3話に目が釘付けでした。
17:00。
クフネウルゲンチ着。
こんな感じで幹線道路をずっと進んでっちゃう感じだったので途中でおりました。
。。。寒!!!
段違いに寒い。
てか道路脇、霜おりてる。
で、
宿の事前情報を持ち合わせてなかったので、Mapsmeに二つあったホテルマークのうちの片方、「ゲストハウス」と書かれてた方に行ってみました。
結果、
このホテルマークの場所に宿などなく、
そのお向かいの建物の前にいたお爺さんが、
ジャポン!ジャポン!と手招きしてくれ、
謎の大部屋で泊めてくれました。
思うにこれが「ゲストハウス」ではと思われます。
マニー?
と聞いたら、いらないいらない!
という仕草をされ、
嘘!?奇跡!!
と思って念のためお爺ちゃんにお札を見せたら20マナト持ってかれました。
持ってくんかーい。
でもとはいえ20マナト≒140円ですから。
これは奇跡ですよ。
こんな感じでもはや「穴」なのと、
シャワーがない(と思う)のがネックです。
あと、
ハイテンション爺さんの御酒に一席お付き合いさせられます。
38度のウォッカ、BALAKÇY。
これをストレートでグイグイするわけですが、これめっちゃ飲みやすく、むしろ美味いです。
が、
ここで粗相はできないので、一杯で我慢っておおおおおおお爺ちゃん、一気にグラスを開けちゃいました大丈夫!?
※お爺ちゃん、ここで手が震え始める。
これテレビなんですけど、
シンプソンズでしょうか。
絵的にはシンプソンズなのですが、ロシア大帝国のかつての偉大なるトップ、「LENIN」とめっちゃ書かれてるあたり、ロシアを毛嫌いしている(とどこかに書かれたが真相不明)トルクメニスタンの風刺アニメかもしれません。
面白いですが、やや凍ってました。
あと写真忘れましたが(あまりパシャパシャ撮るのも憚られ)、白菜の浅漬けがマジで美味かったのには感動しました。日本と変わらない味でした。
さてお爺ちゃん、
三杯目をグイッとした時点でもう爆睡モードに入ってしまわれたので、お片づけして私はお部屋へ。
すると娘さんでしょうか、
先程から色々とお世話してくれてる方が、
お夕飯作ってくれましたーー涙
何というおもてなし。。
このパスタが五臓六腑に染み渡りました。
そんな一日でした。
明日はトルクメニスタン出国です。
てか結果的にすんごいトルクメニスタンのお金が余ってしまいました。
サグボルーン!でした。
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