#380 西遊記の世界、火焔山近郊を巡る。in中国(8) 2018.12.28
- 2019/01/02
- 07:00
トルファン安宿のドミ部屋。
隣のベッドの中国人の充電ケーブルが、ただの充電ケーブルのはずなのに、エレクトリカルパレードか!と言わんばかりのネオンが電光掲示板のように根元からスマホ本体へ向けてギラギラと流れる仕様でくっそ眩しいです。
まあまさか本人も買うときそんなの想定してなかったのでしょうね。
当の本人は布団かぶって寝てました。
さて、
今日は宿の人に丸投げしたツアーでトルファン近郊を巡りますよ。
通常時は一人85元らしいのですが、今はオフシーズン。たまたまもう一人行きたい人が見つかったようで二人参加で一人140元。
食事と各所への入場料は別。
私は「火焔山へ行きたい」としか伝えていません。
さて、今日はどこに連れてかれるのでしょうか。
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▼徘徊メモ
・行き先:トルファン近郊
・手段:ツアー参加
・料金:140元≒2240円+各所入場料+昼食代
・時間:10:00発、18:30戻り
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さ。
本日の運転手は元気なお姉さんです。
てっきりモッサいおっさん出てくるかと思いきや。
もう一人のツアー参加者は中国人の女の子。
ピンクダウンにピンク帽子、と如何にもな中国女子という感じ。
そしてもう一人のツアー参加者?はなんと宿のおばあちゃんwith孫w
0-1歳と思われるお子を連れほのぼの旅のスタートです。
(写真撮っとけば良かった)
車は30分ほどで最初の目的地、火焔山へ。
火焔山自体はこのトルファン盆地にポツンとただずむ岩山なのですが、その一角に有料エリアがあるのです。
えっとね、霧、ね。
で、
有料エリアはそれっぽい像が立ち並ぶだけでして、しかも脇を走る幹線道路から見えるため、中に入らないのが定番のようです。
ということで今回も中には入らず外から見学となりました。
この火焔山。
なんでまたそんな物騒な名前なのかというと、この地域、真夏は地表温度が70度にもなるんですって。
で、岩山のこの火焔山は陽炎が立ち、
まさに燃えているように見えることから火焔山と言われるようになったとか。
そしてその話はかの西遊記伝にも出てくるのって皆さん覚えてますか?私はもう全然覚えてません。てかどの世代までわかるんだこの話?
三蔵法師率いる孫悟空、沙悟浄、猪八戒のアレです。
彼らの道中でこの火炎は燃える山として立ちはだかり、孫悟空が手に入れた芭蕉扇で炎を消し去るだかなんとか。。。うーんやっぱり思い出せない。
まあそんな伝説をかの国が持ち上げないわけがないのでありまして、
有料エリアの入り口。
やや散らかり感が否めませんが、
それっぽい感じになってます。
よく見るときっとあれ孫悟空なんじゃ無いかな、というモニュメントが見えます。
その他いくつかモニュメントが見えますが、
まあなんというか、まったく人がいない感じです。
せめて晴れてたらねー。
いかつい火焔山の風貌が拝めたら、もうちょい孫悟空感あったと思うんだけどな。
たしかにこの強烈な縦ラインに陽炎が揺らめいてたら「火焔山」と呼ばれるのもわかる気がします。
あ、
そろそろ次に向かうんですね。
付いてきまーす。
御察しの通り、同乗者は全員オール中国語でして、英語なんてまったく期待できない感じです。
そんなんですが、例のお子を中心にほのぼのとやっております。
ただいま火焔山の山中を走っております。
霧掛かってはいますが、荒々しさ、伝わります?
赤いんですよね、山肌が。
火焔山という名にふさわしいいかつさがあります。
このあたりとか砂丘のようです。
乾燥しすぎて岩が砂になったのか、砂漠から風で運ばれてきたのか分かりませんが。
なんだかそれっぽいところを通過しました。
雰囲気的には中国政府が金積んで作っただけの場所のようですが。
なおこの孫悟空御一行はもはやそこら中にあります。
そしてこの謎空間は閉鎖されているようで建物は廃墟になってました。
続いてやってきましたはベゼクリク千仏洞。
火焔山の山間を走る川谷に石窟があるんだそうな。
入場料40元≒640円。
結構するなり。
あ、
このピンクの子がもう一人のツアー客です。
自分のペースでぐいぐい進んじゃうお年頃です。まあお互いことなも通じませんしね。
あとドライバーの女性はあくまで運転のみらしく、我々の観光中は運転席で口開けて寝てます。
おばあちゃんwith孫は車内でいないいないばあとかやってます。
こんな感じで川の谷間の崖にいくつも石窟が掘られてます。
この石窟は6世紀の高昌王国時代から開削がはじまり、9世紀のウイグル高昌国時代が最盛期だったと、歩き方先生言うてはります。
当時は仏教が信仰され、ここベゼクリク千仏洞は王族の寺院として重視されて石窟が増やされ、現在は83の石窟が残されているんだそうです。
石窟は撮影禁止で、
毎度おなじみ「防暴」のジャケットをまとった兵士がじっとりと我々の後についてくるのでこそ撮りもできません。しませんけども。
石窟はインドのアジャンター遺跡で見たのと結構似ており、天井には小さな仏像画がギッシリと、そして壁には大きな仏の世界が雄大に描かれてました。中には浮世絵を思わせるような優美なものも。
え、仏画?
って言いたくなるような。
ただね、
全体的にかなりボロボロなんですよ。
乾燥地域なので保存状態が良い、はずなのですが、そもそもこの地がイスラム化した時に偶像崇拝禁止の観点で破壊されたのでしょう、千仏言うくらいですからそれこそとんでもない数の仏の顔があるわけですが、いずれも顔が潰されてました。
破壊する方も大変でしたでしょうに。
そしてその後は外国人探検家なんかが持ち去っちゃったりしたそうです。
たしかに壁がまるまる剥ぎ取られてる区画もありました。
大変残念ですが、
アジャンター遺跡を見た私としては、見応えに欠ける内容でした。無念。
そんな中で今Google先生に色々聞いてたら(もう使えるようになりました!)、
これトルファン博物館で写真撮ってたやつですが、
この壁画がまさにこのベゼクリク千仏洞にあったようです。
請願図、という、ベゼクリク千仏洞を代表する壁画だそうな。
このレベルのクオリティの壁画は現地には一つもなかったぞよ。
といっても、
谷の向こう側。
この景色だけでも来た価値あります。
ここにも御一行がいました。
なかなか良いモニュメントなのですが、
四人が馬を中心に隊列してるのでどうしても全員同時に収まらない。
この写真では猪八戒氏が馬の向こう側でブヒブヒ言うとります。
あ、そういやこの悟空は芭蕉扇持っとりますな。
さあ次はどこへ。
ちょっとこの写真分かりづらいですが、
これハイウェイの中央分離帯にときおり登場する事故車です。
「こうなりたいのかい?」
と言う脅しな訳ですが、幸いこの地は過剰なまでの公安による圧力のお陰でみんな法定速度を守ってます。笑っちゃうくらいにみんな大人しいです。
昼飯でーす!!
トルファンの街に戻ってきましたよ。
途中「高昌城」と書かれた看板をスルーした時はガックシでしたが、
このランチで私は元気100倍です。
プロフ〜!!
ウイグルのプロフをようやく食べれました。
これね、めっちゃ美味いぞよ。
言うなればトルクメニスタンの地獄の門のチャイハネやウズベキスタンはヒヴァの西門前のレストランで食べたのと同じ、もちもち系プロフでした。18元。
なお運転手のお姉さんはさらにケバブ二本食ってました。よう食うね。
おばあちゃんは典型的な中国人です。
一口食べて口に合わなかったキムチみたいのを床に吐き捨ててました。
おばあちゃん、孫の教育上良くないからやめたげて。
レストランの前でナン焼いてました。
みんな買ってました。
私は昨夜買ったナンを火焔山やベゼクリク千仏洞でかじりながら観光してたので遠慮しましたが、
くれたらまあ食いますよね。
運転のお姉さんなんてもうこんな感じ。
ねえピザじゃないんだから。
カレーズ楽園。
なんだかすごい名前ですが、ここはトルファンの水利を紹介する施設のようです。
このウイグル自治区にある各街はいずれも砂漠のオアシス都市として街が出来てきたのですが、カシュガルやホータンは河川の水を利用したオアシス都市なのに対し、ここトルファンは地下水路を利用したオアシス都市なんだそうです。
イランのヤズドもそうでしたかね。
あちらでは「カナート」と呼ばれた水路、ここではカレーズと呼ばれているようです。ウイグル語ですかね。
なんか枯れがれしいよね。
オンシーズンにはここが一面葡萄畑になるそうです。
博物館は閉鎖中。
これで入場料40元はちょっとどうでしょうか。オフシーズン価格5元はいいところだと思いますけども。
地下への入り口が。
地下水路は夏場は冷えた水を、冬場は暖かい水を提供してくれるんでしょうね。
水路の奥を撮ってみたら青ネオンが強すぎて逆に未来が写りました。
みんな吐いてますけどね。
老若男女問わず。
でも良いのです。
今日はもう身を任せると決めてるのですから。
ジャーン!!
次の目的地はなんだかそれっぽいところにきましたよ。
こう言うのでいちいち高かっちゃう私まんまと中国政府の思惑に乗っかってます。
交河故城。
高昌王国時代には城が置かれ、その後も各時代に砦として使われてきた場所だそうです。
中に入ると暗闇。
戸惑っていると係員が走ってきて電気のスイッチを入れました。
え、そんな感じ?
内部はチケット売り場までの道中が交河故城を紹介するミュージアムになってました。
この地の王だった人でしょうか。
世界最大の土塁城!
のようなこと書かれてました。本当だろうか。
→Wiki曰く本当でした。
土塁というか版築という手法で世界最大だそうです。
版築(はんちく)とは、土を建材に用い強く突き固める方法で、堅固な土壁や建築の基礎部分を徐々に高く構築する工法を指す。もともと石灰分を多量に含んだ微粒子から成りこの工法に著しく適した黄土が広く堆積した黄河流域で古代から用いられ、特に発展を見せた工法である。 なお版築で作った壁等の構造物自体を指して版築と呼ぶ場合もある。
そして衝撃。
入場料70元≒1120円。。!!
ただここで「結構です」
と言えぬのがツアーの辛いところですね。
メソメソとお支払いして先へ。
ここからしばらく歩くようです。
いえ、セレブリティは25元払ってシャトルバスみたいの乗るようですが、私は貧民なので徒歩です。距離1kmほど。
湖が見えます。
大きな都の近くには湖や川がつきものですね。
ここも別料金なので通過です。
1kmほど歩いて川を渡り、
城の入り口までやって来ました。
ここでチケットチェックです。
そもそもここに券売所作ってくれませんか。
そしてビジターセンターから徒歩かシャトルバスでしか来れないはずなのにこの駐車場のデカさの意味は何。
結構な土塁の高さですよこれ。
30mもあるんですって。
流石に当時の姿は残されてないです。
ただここは中国。
下手したら遺跡をぶっ壊して当時の姿を強引に再現しちゃったりしそうなものですが、風化した遺跡はそのまま残されていました。
当時ここが地下だったのか地階だったのか不明ですが、前者だとしたらなんだか薄暗い中で国の将来を話し合っていたのですね。実際知らんけど。
仏教信仰の名残が。
こちらも土台くらいしか残されていませんが。
遺跡内、徒歩で来れる最奥地、塔林に来ました。パゴダ(仏塔)がずらずらずらっと並んでるかなと思いきや、
一塔を残すのみであとは土台のみでした。
パゴダは101塔あったそうです。
当時の人々にはさぞかし圧巻で畏怖の念を抱かせたでしょうね。
城内最大と思われるお寺。
ちょっとだけ仏様が残ってました。
中央大塔。
名前からしてさぞかし大きな塔だったのでしょう。
そんな交河故城でした。
いえね、
もうちょっと事前知識があればきっと楽しめたと思います。
いや、その機会はあったのです。
あのチケット券売所の次にちょっとしたミュージアムがあったのですが、
このチャイナガールがこんな感じでポイポイ先に進んじゃうのでついついスキップしちゃったのです。
やはりこの手の遺跡は、現状の遺構からいかに当時の勇々しい姿を妄想し
てヨダレたらせるかに懸かっているのです。
それがなければただの土塊です。
そんなこんなでツアーは終了。
18:30宿戻りでした。
一見大変残念な内容のように見えていると思いますが、オフシーズンということもあり当初は火焔山すら拝めないかなとも危惧してたので、私的には参加して良かったです。
ただやっぱね、
行くならオンシーズンに是非。
ただ真夏は本当に死を覚悟すべき暑さのようなので、そのあたりどうぞよしなに。
新疆ウイグル自治区ラスト飯は、
これまで中央アジアで散々見て来ていながらなんとなく手が出なかった(衛生面で)、鶏モモまんまブチ込みプロフにしました。
またプロフかい!
と思うでしょうけれども、そんなこと気にしません。飯はイベントなのです。食べ合わせとか関係ありません。
でね、これがね、
超ウマー!!
なの。
鶏モモがこれでもかっ!ってくらいムッチムチで豊潤で最高でした。
こんな感じでビニール手袋して食べるみたい。これで容赦なくむしゃぶりつく事が出来ました。感謝申し上げます。
目指すは敦煌。
甘粛省です。
そう、とうとう新疆ウイグル自治区を抜けます!楽しみ!VPN解放!!
敦煌行きはちょっとややこしくて、
トルファン北駅からの直行列車がなく、
嘉峪关(jiayuguan)という敦煌を359kmも通り過ぎた駅まで行き、そこから敦煌まで359km戻らねばならぬのです。エラい面倒。
Z42、上海行きー!
うっかり降り遅れたら上海です。
いや実際は到着前に激しく叩き起こされ確実に下車させられちゃうのですが。
まったくもって乗客管理が徹底されてる恐ろしい国です。
なお今回の列車は多少遅延しており、
列車到着前に乗客がプラットフォームへ誘導されました。
(これまでは列車が到着しないと乗客はプラットホームへ入れなかった)
うん、
本当に上海行くんですね。
ということで、
この列車で目指しますは嘉峪关そして乗り換えての敦煌です。
そして莫高窟にいきまーす!!
谢谢でした。
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